神奈川新聞厚生文化事業団(林義亮理事長)はこのほど、2019年度の活動奨励支援金を、薬物依存症者の家族の会「NPO法人横浜ひまわり家族会」(横浜市港北区)に支給することを決めた。20万円を支給する。
同会は、覚醒剤や大麻など薬物依存症者がいる60家族でつくるグループ。薬物依存症リハビリ施設の横浜ダルク・ケア・センター(横浜市南区)利用者の家族が1996年ごろ、設立した。同施設利用者に限定せず、広く薬物依存症者の家族が参加できる組織として活動し、昨年4月にNPO法人となった。家族でつくるグループは極めて珍しいという。
同会は「薬物依存症は病気である」という前提で(1)家族に対する回復への支援(2)依存症の啓蒙(けいもう)活動(3)当事者グループへの支援-などの活動を展開。具体的には専門家を迎えての研修会を年間9回、薬物依存症者本人に回復の体験を話してもらう会合を年6回、それぞれ開催するなど、密度の濃い取り組みを行っている。
岡田三男理事長は「依存症者の家族は周囲に相談できず孤立しがちだが、本人が回復するには、家族も勉強して変わっていかなければならない。今回の支援は研修会の費用などに活用していきたい」と話していた。