過熱・肥大化が指摘される中学校の部活動問題で、改善に向けた議論が本格化している。海老名市教育委員会は25日に開催した第3回部活動検討委員会で「休養日は原則週1日」などのたたき台を提示した。活動日数や時間を規定することに「大会前の練習時間を確保する必要があり、現実的に難しい」など、学校現場の委員からは消極的な意見が相次いだ。
市教委は、改善策検討の核心となる「活動日数と活動時間の規定、管理」を初めて提案。(1)休養日は週1日(2)土日は両日活動する場合でも、どちらかは半日以上の休養時間を設定(3)夏休みなど長期休業中の活動は土日の活動と同様に2日連続で終日活動にならないように半日以上の休養時間を設定(4)夏休み中は3日以上の連続休養日を設定(5)始業前の朝練は週4回以内-と具体的に示した。
その管理法は、各顧問が月ごとの活動計画書を作成して校長に提出。大会前や練習試合、天候により休養日が取れない場合などは例外として校長の許可を求める。活動計画書は3年間保管、情報公開の対象にするとした。
委員会では、原則休養日を週1日にすることについてはおおむね意見の一致を見た。しかし、他の項目は「大半の活動が例外になってしまう」「部活動の幅が制限される」「部員数が多く、指導が行き渡らない」など、顧問を務める委員から規定導入に反発や戸惑いの声が上がった。
一方、学校以外の外部指導者や医師の委員は「若い先生も増え、がんがんやっている部活には規定が必要。時間を区切り、質の高い練習を目指したい」「部活の総量規制が問われている。故障者が多い部活を調べたり、試合の見合わせなどの対応もすべきではないか」などと意見を述べた。
今回の規定案は今後、校長会や顧問会議、PTA会長会などとも協議し、11月に委員会としての結論を出す予定という。
保護者4割から「日数多すぎる」
海老名市教育委員会は中学校の部活動に関する保護者アンケートを実施、結果を公表した。活動日数が多すぎると考えている保護者は約4割に上った。
調査は6~7月、市内6中学校を対象に各学年1クラスを抽出して行った。約600人の保護者のうち、約8割の484人から回答を得た。
生徒の89%が部活動に所属、内訳は運動部71%、文化部29%。1週間の活動日数は7日が37%、6日が31%、5日が14%だった。朝練は4日が26%、3日が22%、2日が14%。
活動日数が多すぎると思う保護者は39%、少なすぎる11%、現状でよい50%。活動時間は長すぎる27%、短すぎる14%、現状でよい59%だった。
指導方法は75%が適切だと回答し、故障の経験は23%があった。部活動は「生活充実のため必要と思う」という回答は97%に達し、期待の高さもうかがわせた。