1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 学力地域差縮小続く 政令市の多くが平均以上

17年度全国学力テスト
学力地域差縮小続く 政令市の多くが平均以上

社会 | 神奈川新聞 | 2017年8月29日(火) 02:00

 文部科学省は28日、小学6年と中学3年の全員を対象に4月に実施した2017年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。公立校の都道府県別平均正答数を過去と比べると、地域差縮小が進み下位層の底上げ傾向が続いていると説明。初公表の政令指定都市は多くが全国平均を上回った。一方、知識活用問題は依然苦手とされた。児童生徒アンケートでは部活動時間や主体的な学びへの意識を尋ね、学力との関係を分析した。

 文科省は、年度ごとの全国平均正答数を100と換算し、都道府県の上位層と下位層の平均正答数の差を比較。中3の数学Bでは08年度に6ポイントあったが17年度は4ポイントになり、小6の国語Aでは13年度に5ポイント以上あった差が3・7ポイントに縮まった。前年度より差が開いた教科もあるが、担当者は「下位層が平均に近づく傾向はここ数年変わらない。先進的な授業内容を共有するなどの努力が奏功している」と述べた。

 都道府県別の平均正答率の上位は秋田や石川、福井、富山などが占める固定化が継続。教育行政の権限拡大に伴い今回から公表された政令市20市のうち半数以上が、国語、算数・数学の各教科で公立校の全国平均正答率を上回り、各教科で同じ道府県の他地域と並ぶか上回ったのも10市に上った。各教科で上位のさいたま市教育委員会は「教委が全教員の授業を見て課題や良い点を話し合ってきた」と説明した。

 一方、国公私立の全国平均正答率は各教科とも基礎的なA問題より活用力をみるB問題が5・1~32・6ポイント下回り、公立校でも5・2~32・7ポイント下回った。資料に基づいて考えを書く問題の正答率が低いなど例年と同様の課題が示された。

 アンケートと組み合わせた分析では、国公私立の中3で平日の部活動時間が「1時間以上2時間未満」の生徒が最も平均正答率が高かった。ただ文科省は「生活状況なども学力に影響し、部活だけでは判断できない」とみている。

 同級生との議論などを通して「考えを深められたと思う」と答えた小6の平均正答率が国語Aで78%となり「そう思わない」の66・9%を上回るなど主体的な学びに肯定的な児童生徒の平均正答率が各教科で高かった。

 17年度は国公私立の小中計約3万校の約203万7千人が参加。文科省は平均正答率について過度な競争をあおらないようにと今回から小数点第1位を四捨五入し整数値で公表。平均正答数は小数点第1位まで示した。

 【解説】知識活用力 向上実践を

 文部科学省が28日公表した全国学力テストの結果では、子どもたちの知識活用力に課題があることが改めて浮かんだ。グローバル社会で重視される力をいかに伸ばしていくか。毎年のように突きつけられる論点は、教育現場で分析から具体的な実践への移行が思うように進んでいない状況を示していると言える。

 活用力が問われるB問題の正答率は著しく低い。文科省は次期学習指導要領で「知識を応用して課題を解決し、創造性を発揮できる人材育成」を目指し、2020年度以降の大学入試改革でも記述式問題で表現力などを問う方針だが、小6の算数Bで平均正答率が13・5%にとどまる問題もあったことなどを踏まえれば、依然道は険しい。

 文科省は膨大なテスト結果や分析内容を教育現場に示しているが、試行錯誤を重ねている教員たちがよりイメージしやすいような実践も伴わなければ、消化不良に陥るのは目に見えている。

 調査は東日本大震災で実施を見送った11年度を除き、10回目となった。既に判明している課題解決に求められるのは、さらなる分析ではなく、指導ノウハウの共有といった具体的な動きだろう。教員が授業で多様な実践に取り組めるような政策転換を図れるかが、教育行政に問われている。

【県内】基礎問題 習熟に課題




 県内公立小・中学校の平均正答率をまとめた県教育委員会は「全国平均に比べて大きな差は見られなかった」と振り返った。


 ただし国語Aに含まれる「漢字の読み書き」が、小・中学校ともに全国平均を5ポイント以上、下回った。今回から政令市については個別データが発表されたが、横浜市でも同様の傾向がみられた。同じく5ポイント以上、低い結果となったのは小学校の算数Aと中学校の数学Aの一部。いずれも基礎的な計算能力を試す設問だ。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら

全国学力テストに関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング