核兵器廃絶を訴える「高津区原爆展」のプレ企画が25日、川崎市生活文化会館ホール(てくのかわさき、高津区溝口)で開かれた。広島での被爆体験や川崎での空襲体験について当事者が語り継ぎ、約80人が耳を傾けた。
原水爆禁止高津区協議会(高津原水協)などの実行委員会が主催し、20回目の節目を迎えた。広島の爆心地から約1・3キロの地点で被爆した山口淑子さん(85)=高津区=は、記憶と映像を基に当時の惨状や、その後の放射能被害を紹介。「放射能の影響で最も怖いのは、自分が被爆者であることを隠す風潮が広がったこと」と語った。
川崎市内の中原空襲で家を焼かれた安藤八重子さん(82)=高津区=は、「戦争とはそれまでの普通の幸せな暮らしが一変すること。二度と起こしてはならない」と話した。
会場では、昨年4月に始まった「ヒバクシャ国際署名」と、今年7月に国連で採択された核兵器禁止条約の現状を日本原水協のスタッフが報告した。
同原爆展は今月28日から9月1日まで(午前9時~午後5時、1日は午後3時)、高津区役所玄関ホールで開かれ、広島平和記念資料館の被爆資料を展示する。問い合わせは、高津原水協の山田充邦さん電話044(766)3427。