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時代の正体〈511〉ミサイル避難訓練(上)もう「戦前」ではないか

社会 | 神奈川新聞 | 2017年8月25日(金) 12:58

県内で初めて弾道ミサイルを想定して行われた住民避難訓練=19日午前、トッケイセキュリティ平塚総合体育館
県内で初めて弾道ミサイルを想定して行われた住民避難訓練=19日午前、トッケイセキュリティ平塚総合体育館

 北朝鮮の弾道ミサイルの飛来を想定し、県内で初めて行われた平塚市の住民避難訓練。参加者約200人が体育館に集まり頭を抱えてうずくまった。自治体担当者は趣旨について「まず必要な行動を知ってもらいたい」と強調する。だが識者からは「意味がない」「非常時の心理を日常化する狙いではないか」と問題視する声が上がる。飛来する弾道ミサイルに対処する訓練に、一般市民を参加させる。これはもう「戦前」ではないか-。

 19日午前、平塚市では毎年恒例の「総合防災訓練」が開催されていた。その冒頭、午前9時15分。関東近辺に向けて弾道ミサイルが発射されたと想定し、会場となった体育館周辺と市総合公園に「訓練、訓練。ミサイル発射、ミサイル発射」と、全国瞬時警報システム(Jアラート)の音声が響き渡った。

 同20分。参加者らは窓ガラスの少ない体育館2階の客席に誘導され、また放送が流れた。「落下の可能性があります。頭部を守ってください」。参加者は頭を抱え、うずくまった。

 同21分。「ミサイル通過。この地域の上空をミサイルが通過」と放送され訓練を終えた。

あいまいな想定


 政府は今年4月、各都道府県の危機管理や災害対策の担当者約70人を集め、弾頭ミサイルを想定した住民避難訓練を開催するよう求めた。

 平塚市はこれを受け、検討を開始。毎年実施している総合防災訓練の冒頭に組み込む方針を7月20日に決定した。防災危機管理部の6~7人の担当者が協議したが、「意味がない、やる必要はない、という意見が出ることはなかった」という。

 担当者は「ミサイルが体育館を直撃すれば意味がないかもしれないが、そうでなければ屋内の方が爆風を避けられる。頭部を抱えた方が命を守れる」「Jアラートのサイレンを聞いたことのない人も多かった。どのような音が鳴るのかを知るだけでも訓練の意味はあった」と強調した。

 「ミサイル攻撃の対応ということは戦争への備えだ。つまり戦前。そうした訓練を実施しているという認識や自覚はあるか」と記者が問うと、平塚市の担当者は答えた。「戦争になるかどうかは国の話。市としては市民に脅威が迫ったときに、どうすればいいのか伝えなければいけない」

 だが、訓練の前提となる細かな「想定」はない。どのような種類のミサイルが、どこに落ちてくるのか分からない。そのため被害程度も不明だ。避難行動の根拠を問うと、こう返答した。

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