「子どもたちの未来を戦争で奪うな!改憲・戦争を許さず 命を守ろう」と題した県民集会が16日、横浜市教育会館(横浜市西区)で開かれた。ジャーナリストの金平茂紀さんらを講師に、市民ら約320人が民主主義の在りようや原発事故の問題について意識を高めた。
金平さんは、多くの市民が逃亡犯条例の改正案に抗議し、政府トップが改正延期を表明した香港を取り上げ、「市民の力が勝った」と評する一方、日本の民主主義の現状と比較。「こんなこと今まであっただろうか」と成熟度の違いを指摘し、「思考停止に陥らないことが重要」と強調した。
さらに沖縄の基地問題になぞらえ、「本土の人がほとんど無関心。こういう状況になっているというのは本当に大変なことだ」と危機感をあらわにした。
東京電力福島第1原発事故で神奈川に避難してきた住民が国と東電に損害賠償を求めた訴訟の原告団長、村田弘さんは「テレビや新聞を見ている人は深刻さは払拭(ふっしょく)されたと思っているのではないか」と事故に対する関心の低下を危惧。「東京オリンピックを招致する時から、被害を見せなくしようとしている」と政府の方針を批判し、「今も4万人を超える人たちが避難生活をしている。被害者の実情に目を注いでもらえれば」と訴えた。
県民集会は、教職員のOBらによる実行委員会「改憲・戦争阻止!大行進神奈川」が主催した。事務局長の品川孝司さんは「人間の尊厳を取り戻すため、自分の職場や地域でも声を上げて」と呼び掛けた。