覚醒剤など薬物依存症者の家族らで組織するNPO法人「全国薬物依存症者家族会連合会」(横川江美子理事長)は9日、川崎市中原区の市総合自治会館で「差別と偏見・排除のない社会を」と題したフォーラムを開く。薬物依存症者に対して、刑事罰を与えるだけではなく、医療や福祉の側面からサポートする「健康障害」対策を充実させ、回復を図る社会を目指そうと呼び掛ける。
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所・薬物依存研究部の松本俊彦部長が基調講演を実施。厚労省の依存症対策推進室の担当者や、アルコール薬物問題全国市民協会代表の今成知美さん、川崎ダルク施設長の岡崎重人さん、同連合会の横川理事長によるパネルディスカッションも行われる。
川崎ダルク家族会メンバーの黒川奈菜子さんは「『薬物依存症は大悪人』というスティグマ(負の刻印)をされ、そのことが回復の妨げになっている。海外では刑事罰によらない回復支援が主流となっており、効果も上げている」と指摘。「薬物やアルコール依存は人ごとではなく、誰にでも起こりえること。多くの人に関心を持ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。
午後1時から。申し込み不要。資料代千円(1家族)が必要。問い合わせは、同連合会電話03(5856)4824。