厚木市はこのほど、2015年度の市立病院事業会計決算書をまとめた。単年度赤字額は前年度より約4億7500万円減の12億9500万円で、赤字は4年連続。全面建て替え工事は来年3月に完了予定だが、設備更新の負担増が経営を圧迫している。
決算書によると、15年度の事業収益は87億2500万円で前年度比0・6%の増加、事業費用は100億2千万円で4%減少した。
差し引きの赤字相当額は12億9500万円。前年度に過去最多だった17億7千万円を下回ったが、累積赤字は25億7800万円に膨らんだ。
同事業会計は、法改正により地方公営企業会計基準(新会計基準)を適用、民間並みに変更されて2年目。12年度に整備がスタートした新病棟建設費や購入した医療機器の減価償却費の増加などで厳しい財政状況が続いている。
市は地域医療の充実のため、前年度より8900万円増の10億9500万円を一般会計から繰り入れた。市監査委員は審査意見書で前回同様に「経営指標が低下し、今後も注視すべき経営状況にある」と指摘している。
市は17年度から5カ年の新たな病院経営計画を策定中。経営健全化に向けて現行計画で19年度とした黒字転換目標の見直しなどが焦点となる。