噴火警戒レベル2(火口周辺規制)への引き上げから2日で2週間となった箱根山(箱根町)で、地震活動が消長を繰り返しながら継続している。大涌谷の噴気や山体膨張の地殻変動も収まる気配はなく、気象庁は「火山活動は引き続き活発。警戒レベルの引き下げを検討するような状況ではない」と指摘。大涌谷の立ち入り規制が解除される見通しは立っていない。
気象庁の観測で5月18日に43回を数えた火山性地震は、警戒レベルが2に引き上げられた19日は74回に増加。その後は回数が減り、活発化前のような1日に0~2回程度の日も増えてきたが、23日は9回、30日も6回と多かった。
同庁火山課は「地震が立て続けに発生することもあり、静穏な状況には戻っていない」と分析。「統計上は0回でも、集計対象ではないごく小規模な地震は起きている」という。
そうした地震も記録する県温泉地学研究所の観測網では、18日から31日までに約500回もの地震が捉えられた。1~4月は1カ月当たりの地震回数が11~56回だったため、5月の急増ぶりが際立っている。
温地研は「観測史上初の噴火が起きた2015年のような顕著な活動時と比べれば、現在観測されている現象の変化の度合いは小さい。今後さらに活発化するかどうかは判断が難しい」との見解を示す。一方、気象庁によると、地震活動と地殻変動が収まらないと、警戒レベルを引き下げる判断には至らないという。