横浜公園から横浜地裁前へ、ゆっくりと歩を進める一団から「爆音、やめろ」のコールが鳴り響く。先頭に掲げるのは「飛行差し止め実現」と書かれた横断幕。裁判所に訴状を提出する直前、5次訴訟の原告団約150人が行進を繰り広げ、新たな闘いに向けて思いを一つにした。
熱気に包まれた行進とは対照的に、あいさつに立った大波修二団長の口調はいたって冷静だ。「爆音に対し、半世紀がまんしてきた。もう絶対に許すことはできない」。5次訴訟の幕開けを宣言した。
提訴後の報告集会では、岩国訴訟の原告団長らがあいさつ。5次訴訟の原告の一人が「闘いながら盛り上げないといけない。一人一人が奮闘しなきゃいかん」と声を張り上げると、「そうだ」の声とともに拍手が湧き起こった。
原告数は6063人で、4次提訴を上回り、過去最多となる見通し。4次訴訟の一、二審判決では将来分の損害賠償のほか、自衛隊機の一部飛行差し止めが初めて認められた。
最高裁では覆されたが、弁護団長の福田護弁護士は「苦労を重ねてたどり着いた一筋の光明。4次訴訟の最高裁判決を今度はこちらが覆す」と決意を語った。