私の居場所づくり 温かさのリレー(5)
就労へ自信育む場に ワーカーズコープセンター神奈川
社会 | 神奈川新聞 | 2019年5月21日(火) 17:35
コミュニケーションが苦手で引きこもり状態だった20代の男性、身寄りのない高齢者、バブル経済崩壊後に学校を卒業した40代の元フリーター。就労支援に取り組むワーカーズコープセンター事業団神奈川事業本部(横浜市中区)には、さまざまな事情を抱えた就労困難者から相談が寄せられる。
事務局長の鳴海美和子さん(51)が相談業務に携わり始めた2011年ごろから、延べ5千人と向き合ってきた。「現行の制度や政策で支援できない就労困難者が増えている」。そんな思いを強くしている。
引きこもり状態だった20代の男性は現在、県内の動物公園で働く。悪天候でも仕事を休まず業務をやり遂げる80代の同僚の姿を目の当たりにし、「自らを奮い立たせている」という。
就労機会を得た単身の高齢者の中には、職場の仲間との新たなつながりが生まれ、社会から隔絶した孤立状態から脱することができた人もいる。