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私の居場所づくり 温かさのリレー(1)
洗練空間、集う多世代 宮ノ前テラス

社会 | 神奈川新聞 | 2019年5月21日(火) 17:31

宮ノ前テラスの前に立つ理事長の高橋さん(右)と奥津さん=横浜市泉区
宮ノ前テラスの前に立つ理事長の高橋さん(右)と奥津さん=横浜市泉区

 横浜市泉区中田東の宮ノ前公園に隣接する多世代交流スペース「宮ノ前テラス」。レストランを思わせるしゃれた室内には、カフェスペースとレンタルスペースが設置されている。「お年寄りだけでなく、若い人も集える交流スペースにしたかった」。施設を運営するNPO法人宮ノマエストロ理事長の高橋裕子さん(63)=同区在住=は話す。

 「おしゃれな場所にはおしゃれな格好を」とイヤリングを着け来所する80代の女性や、ボランティアで毎日施設周辺を清掃する高齢男性も。昨年9月の開設以降、地域に浸透しつつあり、高橋さんは「地域のお年寄りに変化が現れ始めている」と受け止めている。

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 高橋さんは医療事務職として務めていたクリニックを定年退職後に、地域のために何かできないかと、交流拠点の構想を暖めていた。かつて農地が広がっていた中田地区は、何代にもわたり住み続けている高齢者世代と、宅地開発によって新しく転入してきた子育て世代が混在する土地柄。新旧住民間で交流が少ないなど課題を抱えていた。また、子育て層の増加に伴い、泉区は学童保育の開設場所を探していた。

 構想の具体化へ大きく前進したのは、高橋さんが同区に相談したことがきっかけ。公園に隣接する土地の持ち主で自治会役員の奥津彰さん(68)、地元で「高齢者のたまり場、和み庵」を主宰し施設運営のノウハウを持つ永瀧千恵子さん(60)=同法人副理事長=、民生委員の堤ひろ美さんを紹介された。

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 奥津さんは一時、公園隣接地で貸家の建て替えを検討していたが、4人で構想を話し合う中で、多世代が立ち寄れる拠点づくりの必要性で一致。場所の確保と運営ノウハウの会得にめどが立った。1階を交流スペース、2階を学童保育に充てる計画は、横浜市の「ヨコハマ市民まち普請事業」に提案したところ、熱意や実現可能性、公共性が評価され、助成対象に選ばれ、キッチンや作り付け家具を整備した。

 開設から半年、多世代交流を目指す交流スペースでは、乳幼児向けの「親子リトミック」や「ベビーマッサージ」からお年寄り向けの介護・認知症予防まで多岐にわたるプログラムを実施している。

 「継続的に運営し、将来的には運営も30~40代の次世代に引き継いでいきたい」。高橋さんは地域に開かれた交流拠点の未来を見据えている。

 利用は日~木曜日の午前9時~午後4時。問い合わせは、同法人電話045(884)0246。



 少子高齢化、空き家の増加、地域コミュニティーの希薄化…。大都市・横浜の抱える課題の解決へ向け市内で活発な「居場所づくり」の取り組みを報告する。

 
 

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