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9条巡り主張交錯 憲法記念日、護憲派と改憲派が集会

社会 | 神奈川新聞 | 2019年5月4日(土) 05:00

 令和に改元され初の憲法記念日となった3日、護憲派と改憲派の集会が県内外で開かれた。安倍晋三首相が目指す9条改憲を巡り、護憲派は平和主義の崩壊に危機感を表明。改憲派は2020年に改正憲法を施行する目標を支持した。日本国憲法施行から72年、今年もそれぞれの主張が交錯した。

「戦力不保持を無効化」 県民のつどいに800人


憲法9条の意義を訴えた「5・3県民のつどい」=横浜市西区
憲法9条の意義を訴えた「5・3県民のつどい」=横浜市西区

 憲法の理念や意義を再確認し、平和主義を次代へ継ごうと、「5・3県民のつどい」が、横浜市西区の県立青少年センターで開かれ、市民ら約800人が参加した。「憲法改悪阻止神奈川県連絡会議」(神奈川憲法会議)が1993年から開催し、今年で27回目。

 集会では、憲法学者の成澤孝人・信州大学教授が「日本の平和に憲法9条が果たした役割 9条に自衛隊を書き込むことの意味」と題して講演した。

 成澤氏は、安倍政権が掲げる憲法改正の論点を巡り、第9条1、2項を残しつつ、自衛隊を明文化する点に焦点を当て、「安全のために必要な自衛の措置のための実力組織を認めてしまえば、戦力不保持の規定は無効化される」と指摘。「2015年制定の新安保法制を合憲化することになる」と、政権側の意図を解説した。

 その上で、憲法9条の意義について「安全を守るためには、隣国と仲良くするのが最も現実的だという至ってシンプルな規範」と、平和主義の普遍性を強調。自衛隊明記論の問題点として、「安倍首相の言う積極的平和主義は抑止、軍事力による平和。国際社会のパワーバランスが崩れたときには、戦争になる」との認識を示した。

 衆院憲法審査会は憲法改正を問う国民投票時の政党CM規制の在り方について意見聴取するため、大型連休明けの9日に民放連幹部を参考人招致すると決めており、集会では締めくくりに「憲法を護(まも)り、憲法を遵守(じゅんしゅ)させるのは私たちです」と呼び掛けるアピールを採択した。

「軍国主義的国づくり」 護憲派、120人が小田原に


講演する永山さん=小田原合同庁舎、2019年5月3日撮影
講演する永山さん=小田原合同庁舎、2019年5月3日撮影

 小田原市内では護憲派による「第15回憲法記念日のつどい」が開かれた。「憲法を守り生かす西湘共同センター」の主催で、約120人(主催者発表)が参加した。

 東海大教授で「九条科学者の会」事務局長の永山茂樹さんが「安倍9条改憲の危険性」と題して講演。安倍首相や自民党が目指す9条への自衛隊明記や緊急事態条項の創設など改憲4項目を「軍事主義的・権威主義的な国づくりだ」と批判した。

 また、「自衛隊が違憲といわれる中、隊員に命を張ってくれとは言えない」とする首相の国会答弁を引き合いに「合憲にする代わりに命を捨ててほしい、と言ったに等しい」と言及。自衛隊を9条に明記することは自治体を服従させる効果があり、政権にとっては「一つの突破口になる」と指摘した。

 参加した湯河原町の男性(66)は「矛盾が明確になり、安倍政権に余裕がない状況がよく理解できた」と感想を話した。

改憲派も都内で集会 「自衛権の位置づけを」


「自衛隊の違憲論争に終止符を打つ」と語る安倍晋三首相のビデオメッセージを見つめる来場者ら=3日午後、都内
「自衛隊の違憲論争に終止符を打つ」と語る安倍晋三首相のビデオメッセージを見つめる来場者ら=3日午後、都内

 改憲派が東京都内で開いた集会「公開憲法フォーラム」には、県内外から1100人(主催者発表)が詰めかけた。安倍首相はビデオメッセージで「2020年の新憲法施行」を目指す方針を改めて表明。自民党憲法改正推進本部の下村博文本部長をはじめ、公明党憲法調査会の遠山清彦事務局長ら与野党幹部が登壇し、改憲の必要性を訴えた。

 今年で21回目となる集会は、「『21世紀の日本と憲法』有識者懇談会」(民間憲法臨調)と「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(国民の会)の共催。同会は、改憲を主張する学識者や文化人らで構成する「民間憲法臨調」と、国内最大の右派団体「日本会議」の主導で14年10月に設立された。

 県内からは希望の党代表の松沢成文参院議員が登壇し、持論の改憲案を披露。安倍首相が掲げる「9条の2」を創設し自衛隊を明記する案について、「これでは不十分。現行9条2項を改正し『自衛権』を位置づける必要がある」と訴えた。

 国民の会共同代表の桜井よしこ氏は、基調提言で「くだらない憲法を押し付けられた悔しさを乗り越えなければならない」などと述べた。

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