社会保険労務士らの事務組合「神奈川SR経営労務センター」(横浜市中区)の職員だった40代の女性と男性が復職を断られて不当に退職させられたとして、同センターに地位確認と未払い賃金の支給を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は26日、同センターの上告を棄却する決定をした。2人の退職を無効とした上で、同センターに各約800万円の支払いを命じた二審東京高裁判決が確定する。
二審判決によると、女性は職場でのパワーハラスメント被害を訴える訴訟を起こしたが、係争中に体調不良となり2014年9月から休職。訴訟などで女性を擁護した男性も、精神疾患を発症して同月から休職した。2人は主治医から復職可能と診断されたが、同センターは産業医の意見に基づき復職を認めず、女性は15年6月、男性は同9月に休職期間満了で自動退職扱いとなった。
一審、二審とも、産業医の判断の信用性を否定し、2人が退職扱いの時点までに回復していたとして退職を無効とした。同センターは「内容を確認していないのでコメントできない」とした。
2人は、同センターと産業医に計1100万円の損害賠償を求める訴訟も横浜地裁に起こし、係争中。