横浜港で南米原産の強毒アリ「ヒアリ」が発見されたことを巡り、黒岩祐治知事は19日の定例会見で、「水際作戦は時間との闘いでスピード感が大事。環境省からは連絡もなく、連携がうまくいっていない」と苦言を呈し、同省に早期の広域調査と駆除を緊急要望する考えを明らかにした。横浜港近くの県有施設を独自調査する意向も示した。
横浜港の本牧ふ頭では14日、同省が500匹を超すヒアリを確認。繁殖力が高い上に羽アリも含まれており、県は「広範囲に広がっている可能性も排除できない」と懸念している。
しかし、同省は発見地点から半径2キロ内の調査が必要としていながら、実施予定を明らかにしていない。川崎港でも国土交通省の指示を受けた川崎市が殺虫剤を設置しているものの、環境省による精密調査の実施の有無は未定という。
一連の対応について、知事は「特定外来生物の排除は本来、国が実施するとしているがわれわれと連携できているとは思えない」と指摘。20日に県幹部が環境省を訪れ、▽県や市町村と連携した対策の実施▽横浜港と川崎港の調査の早期実施-などを要請するとしている。