
【時代の正体取材班=石橋 学】在日外国人を敵視し、排斥をあおるプラカードを掲げるへイトデモが16日に川崎市中原区で実行され、人権侵害が引き起こされた問題で、福田紀彦市長は今回のケースを検証し、市が現在進めるヘイトスピーチ対策づくりに生かす考えを示した。18日、定例会見で明らかにした。
市人権男女・共同参画室によると、動画投稿サイトにアップされている複数の動画から参加者の発言やプラカードの文言を確認し、「今回の主催者が公的施設の利用を申請した際、許可不許可の判断材料にする」という。
出発地点が直前に変更されたこともあり、視察していた市職員は発言やプラカードを直接確認できなかったが、「職員が現認していないからといって、ヘイトスピーチが行われなかったということにはならない」と福田市長。
改めて「ヘイトスピーチが許されないのは間違いない」との認識を示し、「恣意(しい)的にならずにヘイトをどう認定していくか、ルール作りが必要だ」と、市が策定を進めている、公的施設におけるヘイトスピーチを事前規制するガイドラインの必要性を強調した。情報収集やヘイト認定の仕組みを専門家の意見も交えて検討していくという。「言った側と言われた側の受け止めが一致しないことは常にあるが、差別する側とされる側では、される側の人たちの思いが尊重されなければならないのは当然」とも語った。