天皇、皇后両陛下は「海の日」の17日、横浜・みなとみらい21(MM21)地区で保存・公開されている帆船「日本丸」などを視察された。市民ボランティアら約100人がマストに登る登檣(とうしょう)礼を行い、「海の日おめでとう」と声を上げると、拍手や手を振って応えた。
両陛下は、日本丸の87年の航跡を紹介する横浜みなと博物館の企画展も見学。戦後は外地から引き揚げ輸送や遺骨収集に携わった歴史などの説明を熱心に聞いた。
日本丸は船員養成のための練習帆船として1930年に建造され、国の重要文化財に指定される見通しとなっている。同日は29枚全ての帆を張る総帆展帆(そうはんてんぱん)と、甲板上にボランティアらが並ぶ登舷礼も合わせて披露した。
両陛下は、日本丸乗組員として遺骨収集に携わるとともに、ボランティアとして30年近く活動している原敏美さん(91)=同市港北区=に「長い間、ご苦労さまです」と声を掛けた。
近くの日本郵船歴史博物館も視察した。