入所者19人が命を奪われた県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の再生に向け、神奈川県は3月、利用者の仮居住先になっている同園芹が谷園舎(横浜市港南区)と隣接地に新設する施設の名称公募をスタートした。
入所者や家族、地元自治会の代表者らで構成する「選考委員会」が候補を絞り、県が決定して8月に発表する。新施設は2021年度に完成する予定。
応募用紙には、16年7月に起きた事件を機に、県などが定めた「ともに生きる社会かながわ憲章」も掲載した。黒岩祐治知事は3月19日の定例会見で「悲惨な事件で思い出すのはつらいが、原点に戻って思いを寄せ、未来に進むことをなるべく多くの人とやりたい」と公募の目的を説明。また、「憲章が目に触れるのは大事なこと。少しでも普及すれば」と述べた。
元の場所に建て替えられる津久井やまゆり園は、利用者や地域住民らに深い愛着があることから、現在の名称を引き継ぐ。また、事件を風化させないため、犠牲者の鎮魂モニュメントを設置する予定で、現在家族らの意向を確認している。
名称の募集は5月10日まで(必着)。県内に在住、在学、在勤の個人が対象。郵送かファクス、県のホームページから応募できる。