日本や韓国と並んで米国が重視していたアジアの同盟国、フィリピンで1991年6月、ルソン島のピナトゥボ火山が噴火した。20世紀最大級といわれる大噴火だった。米軍が駐留していた島中部のクラーク基地と、南シナ海に面した西部のスービック湾は、火山灰で埋まった。
スービックは港湾と補給機能を備え、航空基地も併設し、アジアで最大級の規模を誇っていた。ピナトゥボ噴火の直前には、湾岸戦争後にペルシャ湾に派遣される途中の海上自衛隊の掃海艇部隊が寄港している。
米軍はクラークの放棄を決断する一方、スービックに関してはフィリピン政府との間で使用協定の期限延長を交渉したが、フィリピン上院は協定批准を拒んだ。スービックから米軍が撤退し、その後は経済特別区として再整備され、現在に至っている。
横須賀はスービックが閉鎖された結果、米海軍が…