空母ミッドウェーの横須賀入港から、少しさかのぼる。
入港を直前に控えた1973年秋、米ワシントンに、米国務省と日本の外務省から高官が集まっていた。日本側が「横須賀では空母入港への反対デモが計画されている」と説明した。そして、配備反対論の根拠を3点挙げた。
空母配備は基地強化の容認につながる。ミッドウェーは核を搭載している。厚木や三沢では航空機騒音の問題が生じてくる-。
米側は「日本政府が対処できると信じている」と返す。
だが日本側は「1点目と3点目は対処できる」。その上で、核問題については、本音を漏らした。「米軍艦船が核兵器を積んでいるとの指摘に対して、ただ『米国は安保条約に違反しないと確信している』と答え続けるだけでは難しくなっている」
この懸念は、およそ1年後に的中した。
「事実なら寄港拒否」
1974年9月の米連邦議会。退役海軍少将のジーン・ラロックが、日本…