建築士の資格がないのに住宅の設計業務に関わったとして、建築士法違反の罪に問われた男(51)=横浜市戸塚区=の判決公判が15日、横浜地裁小田原支部であった。佐脇有紀裁判官は「法の趣旨を没却する悪質な犯行」として、懲役10月、執行猶予4年(求刑懲役10月)を言い渡した。
佐脇裁判官は判決理由で「被告の作製した設計図面を基に、法令に適合しない欠陥住宅が建設され、是正工事が必要となるなど実害が生じていることは看過できない」と指弾。「利欲目的に基づく職業的かつ常習的な犯行で、規範意識の希薄さは深刻」とした。
一方で、犯行を素直に認め反省と謝罪の言葉を述べていることなどから、「社会内で更生する機会を与えるのが相当」とした。
判決によると、被告は2016年1月~17年3月、茅ケ崎市と鎌倉市で新築された延べ床面積100平方メートル超の木造住宅計4棟を無資格で設計した、とされる。