統一地方選で公認候補を擁立する極右政治団体「日本第一党」などが政治活動と称してヘイトスピーチを繰り返している問題で、法務省人権擁護局は12日、選挙運動で行われた差別的言動も人権侵犯事件として扱うとの見解を示した。同日の参院法務委員会で、選挙戦のヘイト対策を巡る有田芳生氏(立憲民主党)の質問に答えた。
第一党を例に挙げ、有田氏が「選挙を利用してヘイトスピーチが行われる可能性がある」とただしたのに対し、同局の高嶋智光局長は「可能性は承知している」と答弁。その上で「選挙運動として行われた言動でも違法性は否定されない。人権擁護機関として人権侵害に当たる差別的言動は調査・救済の対象としていかなければならない」との考えを示した。
山下貴司法相も「選挙運動であってもヘイトスピーチ解消法に規定された差別的言動はあってはならない」との見解を示し、有田氏は「候補者にヘイトをしないよう注意するなど、新しい課題に果敢に取り組んでほしい」と求めた。
党首を務める桜井誠氏は自身が出馬した2016年の都知事選の街頭演説などでヘイトスピーチを連発。各自治体から対応について国の見解を示すよう要望が出されていた。
第一党は相模原市議選に3人の公認候補を立てる予定で、最高顧問の瀬戸弘幸氏は川崎市議選で無所属候補の支援を公言。在日コリアン集住地区で選挙期間中、ヘイトスピーチが横行する恐れがある。