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「被災地思い出して」 七里ガ浜と交流の七ケ浜町民が熱演

社会 | 神奈川新聞 | 2019年3月12日(火) 05:00

鎌倉市民を前に、復興への思いを込めてミュージカルの劇中歌などを披露したメンバー =鎌倉市御成町
鎌倉市民を前に、復興への思いを込めてミュージカルの劇中歌などを披露したメンバー =鎌倉市御成町

 宮城県七ケ浜町の町民らでつくるミュージカルグループが9、10の両日、東日本大震災後の町を舞台にした作品を、鎌倉市内で披露した。地震と大津波で96人が亡くなった町を震災後、似た地名の鎌倉市七里ガ浜の住民が支援。交流は8年に及ぶ。支援への感謝と、震災を、被災地を思い出してほしいとの願いを込め、メンバー35人が熱演した。

 「生きている 生かされている この命」

 「まちが人をつくり 人がまちをつくる このまちが私たち」

 10日に防災イベントが開かれた市役所駐車場(同市御成町)に、ミュージカルグループ「NaNa5931」に所属する7歳から39歳までの歌声が響いた。そろいの黄色の上着を着た35人は約30分にわたり、ミュージカル「ゴーへ(Go Ahead)」の劇中歌とダンスを披露。集まった観客らから惜しみない拍手が送られた。

 作品は震災7カ月後に書かれた。犠牲になった人々が、神様からカエルやフクロウといった動物の姿を借り、残され、悲しみに暮れる家族らに「いつもそばにいる」とのメッセージを伝える。タイトルは「前に進む」との意味を持つ町の漁師言葉から付けた。

 物語の中には、実話も盛り込まれている。例えば、冒頭のせりふ。「あの日以来、私の大好きな町は一変しました。大切なものをたくさん失ってしまいました。親友も失いました。私の家は土台だけ、なのに表札だけは今もそのままです」。こう話す役のメンバーは実際に自宅を失った。

 メンバーの一人、中沢利江さんは80代の祖母を津波に奪われた。ステージを終え、中沢さんは「苦しかった気持ちと、多くの人に助けられた感謝の気持ちを思い出す」と話し、「震災を経験した自分が生きる意味は『これからも忘れない』との思いを込めて伝えていくことです」と続けた。大学1年青木健太さん(19)も「震災を知らない世代も増え、伝えていく責任を感じている」と表情を引き締めた。

 町と市の交流は震災後、七里ガ浜の住民ボランティアがバスで町の復興支援に通ったことがきっかけだった。その後も交流が続き、今年は寺沢薫町長ら町民約90人が市を訪問。9日に鎌倉芸術館(同市大船)でミュージカルが上演された。

 「七里ガ浜発七ケ浜復興支援隊」の発起人で、防災イベントを主催した「3・11ALL鎌倉実行委員会」委員長でもある中里成光さんは「親戚や友人に会うような感覚で、七ケ浜町民との顔の見える関係が続けられている。町から学ぶ震災の教訓を、地域で生かしていきたい」と話した。


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