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「地震史」解明手探り 得にくい証拠、見解違いも

社会 | 神奈川新聞 | 2019年3月10日(日) 11:43

関東地震を巡る研究の成果と現状の課題を語る宍倉さん=1月18日、千葉市生涯学習センター
関東地震を巡る研究の成果と現状の課題を語る宍倉さん=1月18日、千葉市生涯学習センター

 「皆さんが気になっているのは、次の関東地震がいつ起きるかだと思うが、歴史上の関東地震は大正(=関東大震災、1923年)と元禄(1703年)の2回しか知られていない。その間隔は220年だ」

 「千葉の地質と地震災害を知る」と題し、千葉市内で1月に開かれたシンポジウム。産業技術総合研究所の宍倉正展・海溝型地震履歴研究グループ長が会場に投げ掛けた。相模湾から房総沖などに延びる相模トラフで繰り返すマグニチュード(M)8級の「関東地震」の歴史を掘り起こそうと、地形の痕跡を丹念に追い続けている。

 「調査が進んだ結果、三浦半島で津波堆積物が発見され、鎌倉で地震の記録がある1293年が『永仁関東地震』であることが分かってきた。房総での地形の研究の中でも、この時代とみられる隆起痕跡が見つかっている」

 主な研究フィールドとしている房総半島の南部は関東地震のたびに隆起し、その累積による海岸段丘が南端部の南房総市や館山市などに存在する。宍倉グループ長らは段丘の一段一段の年代を含有物などからたどり、地震の発生年代や規模を推定してきた。

 「元禄の前が永仁なら間隔は410年だ」としながら、最新の知見に触れた。「1495年に『明応関東地震』があったという説が出されている。隆起痕跡が見つかっていないので疑問符は付くが、これが事実ならば、関東地震はほぼ200年という等間隔で発生していたことになる」


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