捜査報告書に虚偽の内容を記載して上司に提出したなどとして、県警は22日、虚偽有印公文書作成・同行使や公用文書毀棄(きき)などの疑いで、松田署の男性警部補(46)を書類送検し、停職1カ月の懲戒処分とした。警部補は同日付で依願退職した。
書類送検容疑は、昨年5月下旬~6月中旬、商標法違反事件に関連する捜査報告書を書き換えた際、部下の署名や虚偽の作成日を記載したほか、虚偽の鑑定内容を書き加えた、としている。前任の署で扱った捜査書類や押収品などを隠し持っていた疑いもある。
監察官室によると、警部補の上司で当時同署の生活安全課長だった男性警部(49)は、書類の偽造を認識しながら裁判所に提出し、捜索差し押さえ令状を請求。署は令状に基づき関係先から携帯電話を押収したが、その後返却した。県警は22日、警部についても偽造有印公文書行使の疑いで書類送検し、戒告の懲戒処分とした。
捜索後に、捜査報告書の元の作成者の男性巡査部長が署の幹部に報告して発覚。警部補は業務の進め方などで巡査部長と関係が悪化していたといい、「素直に部下が書類の訂正に応じるか不安で書き換えてしまった」などと説明。警部は「警部補の苦労を無駄にしたくなかった」などと話している。
千葉証監察官室長は「県民の信用を失墜させる行為で厳正に処分した」とコメントした。