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第1部 「萎縮社会」に抗う(2)
〈平成の正体〉善悪判断「智」取り戻す

社会 | 神奈川新聞 | 2019年2月4日(月) 01:08

「日本には智がない」と話す中垣克久さん=海老名市
「日本には智がない」と話す中垣克久さん=海老名市

【時代の正体取材班=柏尾 安希子】一つのきっかけは、故・石牟礼道子さんの作品との出会いだった。水俣病患者の苦しみや悲しみを描写することで社会問題としてあぶり出し、近代社会の矛盾を鋭く問いかけた小説家だ。

 「社会との接点を持たずに何がアートだ」。海老名市の彫刻家、中垣克久さん(74)は力を込める。社会を問い続け、人びとの心に投げかける作品こそ芸術だ、との思いが創作の原点にある。

 かつては、そうでなかったという。日本の芸術教育の最高峰である東京芸術大学を卒業し、多くの賞を受賞。彫刻家としての、まさに王道を歩んだ。「何の疑いもなく、ミケランジェロやオーギュスト・ロダンはどうだったか、と研究することが彫刻家の勉強だと思い、ずっと続けてきた」

 だが、ふと周りを見渡せば、石牟礼作品をはじめ、小説家や詩人、音楽家は社会と接点を持って仕事をしていた。翻り、彫刻家はどうか。「社会が欠落している」との思いに、徐々にかられるようになった。と同時に「東京芸大で習った造形はこうですよ、というような作品」に大きな抵抗を感じるようになってしまった。

 「そこには、『智』がない」。智とは、

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