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第1部 「萎縮社会」に抗う(1)
〈平成の正体〉もの言う権利守るため

社会 | 神奈川新聞 | 2019年2月3日(日) 09:19

プラカードを掲げる朝倉優子さん=鎌倉市
プラカードを掲げる朝倉優子さん=鎌倉市

時代の正体取材班=柏尾 安希子】「『憲法守れ』も『平和』も言えないなんて、どこの独裁国家だと。異常です」

 「#マネキンフラッシュモブ@かながわ」共同代表の朝倉優子さんは、心底あきれたような口調で語る。

 たとえば横須賀市は、日本軍の元慰安婦をテーマにした映画の上映会の後援を断った。鎌倉市は、改憲に反対する市民グループにデモの集合場所として、市役所前庭の使用を認めなかった。また、茅ケ崎市で開かれた美術展では、「辺野古工事強行許さない!」との文字が描かれた版画作品の展示を理由に、同市教育委員会が共催を一時辞退。同作品は結局、自主的に撤去された。

 これらはすべて、半年以内の出来事だ。

 朝倉さんは、現状へのいらだちを隠さない。「だって、政治と切り離すことなんて、何一つできないでしょう。『政治的なことは発言しないほうが-』とよく言われるが、本当にくだらない」。思想や意見を公に表明することを極端に忌避する社会の空気。朝倉さんは、そうした現状に一石を投じた自身の経験を、あらためて振り返る。

静止して政治批判


 2016年2月28日。海老名駅の自由通路で、「アベ政治を許さない」などと記したプラカードを持った約10人が、マネキンに扮(ふん)するパフォーマンスを繰り広げた。数分おきに自由通路を移動し、10カ所の地点でポーズをとった。

 その前月、安倍晋三首相は9条改憲を公言。加えて、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣していた陸上自衛隊に対して「駆け付け警護」の任務を加える検討を始めたと明言し、武器を使用して他国部隊などを助ける役割を担わせる姿勢を見せていた。

 海老名で披露されたパフォーマンスは、集団的自衛権の行使容認の閣議決定や、安全保障関連法の強行採決など、性急で強引な安倍政権の姿勢に市民として声を上げる狙いで誕生した「マネキンフラッシュモブ」。15年11月に大和市で初めて行われて以来、ウェブ上で賛同者を募り、各地で展開していた。朝倉さんは、その中心メンバーだ。

 サングラスをかけ、色や柄など決められたテーマに沿った服装をまとったメンバーが、主張を記したプラカードを掲げてスタイリッシュに静止する。

「おかしいと思っても言わなければ、あきらめたように見える。だからといって『おかしい、反対』と言っても耳をふさがれるだけ。それなら黙って止まってみようかと」

 サングラスに遮られ目線が合わないため、通行人は平気で近寄ってプラカードに書いてあることを読んでくれる。

パフォーマンスを撮影した通行人が、インターネットで拡散することも狙ったという。

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