2016年7月に殺傷事件が起きた県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の入所者が仮移転している「芹が谷園舎」(横浜市港南区)で22日、長崎県雲仙市を拠点に活動する障害者の和太鼓集団「瑞宝太鼓」が演奏を披露した。息の合ったばちさばきで入所者や地域住民ら約220人を魅了した。
瑞宝太鼓は、1987年に知的障害者のサークルとして発足。92年にはスペインのバルセロナパラリンピック閉会式で演奏し、2001年からプロとして活動を始めた。国内外で年間100回以上の公演をこなし、来月にはフランスでの公演を予定している。
この日は、同じ障害のある仲間たちを元気づけたいとの思いでメンバーらが園側に呼び掛けて実現。6人のメンバーが大小さまざまな和太鼓やシンバルに似た打楽器「チャッパ」などを使って勇壮な演舞を繰り広げた。入所者は手をたたいたり、体を左右に揺らしたりして楽しんでいた。
同園家族会の大月和真会長は「多くの人が園を気に掛けてくれて大変ありがたい」と感謝。入倉かおる園長は「障害の有無を超えた迫力の演舞に前へ進む勇気をもらった」と話した。