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広域避難どう実現 大都市河川の氾濫対策 自治体「適地見極め困難」

社会 | 神奈川新聞 | 2016年9月14日(水) 14:10

相模川の氾濫リスクを確認するため、流域住民や地元消防団員も参加して行われた共同点検=6月、寒川町
相模川の氾濫リスクを確認するため、流域住民や地元消防団員も参加して行われた共同点検=6月、寒川町

 政府の中央防災会議は13日、東京、大阪、名古屋の三大都市での河川氾濫や高潮による水害が発生した場合の避難対策の検討を始めた。人口が密集し多数の住民の避難が予想されることから、都府県や市区町村をまたいだ「広域避難」が必要だとして、国が積極的に関与することも視野に議論する。

 2017年冬ごろをめどに報告をまとめ、政府が防災基本計画の見直しに反映させる。

 13日に都内で開かれた有識者会議の初会合では、大量の避難住民による交通渋滞で混乱が生じ、逃げ切れずに途中で被災する恐れがあるなどの課題を確認。自治体が避難計画を作成する際、国が関与して、広域避難の仕組みづくりを後押しすべきだとの意見が出た。

 議論の背景には、地球温暖化の影響で大型台風の上陸や集中豪雨が相次ぎ、都市部で大規模水害の懸念が高まっていることがある。10年の政府の被害想定では、東京都の荒川の堤防が北区で決壊した場合、死者は2千人、決壊翌日の孤立者は86万人に上る。

 有識者会議は、住んでいる市区町村内の避難所でなく、隣接する自治体の避難所へ駆け込む広域避難の活用を視野に、避難先の確保策などを検討する。会合であいさつした松本純防災担当相は「想定していないような災害が発生しており、水害の危険性を見つめ直す必要がある。避難の在り方について大局的見地から議論してほしい」と述べた。

 昨年9月の関東・東北豪雨では、茨城県常総市が広域避難を想定せず、一部の住民を増水中の鬼怒川に架かる橋を使って市内の避難所へ誘導し、問題となった。高齢者施設で多くの犠牲者が出た今年8月の台風10号被害では、岩手県岩泉町の避難対策が不十分だったとの指摘が出た。


 大都市圏での河川氾濫に備える広域避難の仕組みづくりは、多摩川、鶴見川、相模川の1級3河川でも今後本格化する。管理する国土交通省京浜河川事務所は今年に入り、これら3河川で最大級の洪水が起きた場合の浸水予測図を相次ぎ公表。従来想定より大幅に広がった浸水想定域に含まれる県内や都内の流域自治体とともに、最悪を想定した新たな避難対策に今後5年間で取り組む方針だ。自治体の境界を越えて安全を確保する広域避難も柱の一つに据えるが、自治体や流域住民からは難しさを指摘する声も上がる。

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