
小惑星探査機「はやぶさ」の映画上映で人気を集める相模原市立博物館(同市中央区高根)の入り口前にアシナガバチの巣が作られ、来館した男児が刺される被害が起きていたことが25日分かった。同館は駆除を決めたが、約1カ月にわたって巣が除去されてこなかったことに、対応の遅さや認識の甘さを指摘する声が上がっている。
巣は直径約15センチで、入り口前通路の高さ約3・5メートルの天井に作られた。同館によると、1カ月ほど前からあるという。同館は、直接刺激を与えなければ刺されないなどとして、来館者へハチの子育てを見守るよう呼び掛ける張り紙を掲示していた。
ところが22日午前、来館した小学生くらいの男児が、体に止まったハチを、ハチと気づかずに手で払おうとしたため、指を刺された。同館は氷で冷やすなどの応急処置をし、父親に謝罪。巣が大きくなれば、来館者への被害の危険性も高まることなどから、25日に駆除することを決めた。
同日には長友義樹相模原市議が、同館には子どもの来場も多いことなどから、駆除を申し入れていた。長友市議は「公共の場で、人に危害を加える可能性があるのならば、真っ先に駆除するのが基本。今回の対応は遅い」と指摘した。
同館の井上明夫館長は「来館者の方に被害があったことは申し訳ない」と謝罪した。
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