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台風や集中豪雨時の避難対策を強化へ 県内の主要河川

社会 | 神奈川新聞 | 2017年6月5日(月) 02:00

相模川などの水位上昇を想定し、関係機関が避難対応の連携を確認した訓練=4月27日、平塚市役所(国土交通省京浜河川事務所提供)
相模川などの水位上昇を想定し、関係機関が避難対応の連携を確認した訓練=4月27日、平塚市役所(国土交通省京浜河川事務所提供)

 県内の主要河川で今夏から、河川管理者の国や県が中心となり、台風や集中豪雨時の避難対策が強化される。全国的に多発する深刻な水害で地元市町村の避難判断の遅れが事態の悪化を招いた教訓を踏まえ、相模川と酒匂川の流域で、水位に応じて避難勧告のタイミングなどを自治体ごとに定める防災行動計画「タイムライン」を新たに運用。激しい雨で実際に洪水の恐れが高まった場合には、国や県が市町村長に直接、電話で伝える「ホットライン」も組み合わせ、水害時の「逃げ遅れゼロ」を目指す。

 今夏の対策強化の中心となる1級河川の相模川は、下流を国、中流を県が管理し、豪雨時はそれぞれの管理区間で洪水予報を発表。2級河川の酒匂川は県が管理しており、水位などをモニタリングしている。

 一方、各河川で氾濫の危険性が生じた場合に住民らに出される避難情報(切迫性の高い順に(1)避難指示(2)避難勧告(3)避難準備・高齢者等避難開始の3段階)はこれまで、流域の市町村がその時々の状況判断で発表していたため、国や県との認識の違いや対応のばらつきが課題となっていた。

 その改善を目指すタイムラインは、川の水位に応じて市町村や住民などが取るべき行動を定めたもので、台風接近後の氾濫の発生が想定される時点から起算して72時間前までさかのぼり、時系列で必要な対応を整理し盛り込んでいる。相模川中流で厚木市が、酒匂川では小田原市が先行して作成済みで、他の流域11市町も今夏からの運用に向けて策定の作業を進めている。

 昨年5月に小田原市が定めた酒匂川のタイムラインでは、大雨・洪水・高潮注意報の発表で防潮扉閉鎖などの準備に入り、避難所をいち早く開設。水位に応じて、避難準備・高齢者等避難、避難勧告、避難指示を発表することを明記している。市は「少しでも氾濫の危険性があれば、空振りを恐れず避難情報を発表していく」と強調する。

 ホットラインは、台風や豪雨時に住民らから寄せられる情報や問い合わせの対応に追われがちな市町村を支援し、避難判断のタイミングを逃さないようにする狙いがある。降り続く雨で水位が上昇した場合、市町村長に直接、氾濫の危険性を伝え、早めの避難情報の発表を促す。

 国土交通省京浜河川事務所によると、相模川下流では、大規模洪水時に浸水が想定される平塚、茅ケ崎、藤沢の3市と大磯、寒川両町との間でホットラインを構築済み。平塚市は今年4月に同事務所や横浜地方気象台などと実践的な訓練を初めて実施し、ホットラインの本格運用をにらんだ情報伝達も実際に試した。

 こうした取り組みも参考に県は近く、相模川中流と酒匂川の流域市町と同様の仕組みを設ける。今夏の運用で課題を検証し、他の2級河川にも順次タイムラインやホットラインを拡大していく。

 一方、両河川に先行してタイムラインなどを導入している1級河川の多摩川と鶴見川では、洪水時に浸水の影響を受ける横浜市や川崎市が住民向けの避難対策を拡充。横浜市は一部の区で自治会と水害対応の連絡会を開くなどし、川崎市は5月から、最大級の浸水想定に基づいた新たなハザードマップの公表作業を開始している。また、相模川を含む1級3河川では京浜河川事務所が中心となり、大規模な洪水でも浸水が及ばない地域への広域避難に関する検討も進められる。

 一連の対策強化のきっかけとなった2015年9月の関東・東北豪雨では、1級河川・鬼怒川の決壊で広範囲が浸水した茨城県常総市に2千件を超える電話が集中。避難指示の発令が決壊後になるなど、対応が後手に回った。昨年8月の台風10号で2級河川・小本川が氾濫した岩手県岩泉町では、町役場が被害情報の収集に追われ、入所者9人が死亡した高齢者施設のある地域に避難指示が出されていなかったことが問題となった。

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