路上強盗を8件繰り返したとして、強盗致傷や強盗などの罪に問われた住所不定、無職の被告(39)の裁判員裁判の判決公判が1日、横浜地裁で開かれ、渡辺英敬裁判長は懲役16年(求刑懲役18年)を言い渡した。
公判で被告は1件の強盗について、実行役となった共犯者らとの共謀を否認していたが、渡辺裁判長は共犯者の供述内容から「被告が犯行全体を統率した」と指摘。共謀関係の成立を認めた。
その上で、「1カ月足らずの間に8回にわたって無差別的に敢行された。複数人で被害者に対し、殴る蹴るなど強度の暴行を加え悪質性はかなり高い」と非難。「被告は共犯者に指示を出すなど重要な役割を果たした。主導的な立場であったことは明らか」と量刑理由を述べた。
判決によると、被告は複数人の少年や男と共謀し、昨年2月6日から同29日までの間、神奈川、千葉、茨城、東京の4都県で、8件の路上強盗や恐喝を繰り返し、計11万円余りの現金やキャッシュカード、携帯電話などを奪った。被告らの暴行で、鼻や左手の骨を折る重傷を負った被害者もいた。