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法案提出されなかった外国人参政権「議論なく、うやむやに」

社会 | 神奈川新聞 | 2010年6月18日(金) 11:03

男性は反対運動のため4カ月間、国会議事堂前に通い続けた=東京都千代田区
男性は反対運動のため4カ月間、国会議事堂前に通い続けた=東京都千代田区

法案の成立率が低調に終わった通常国会。民主党が検討しながら提出にも至らなかったものに、永住外国人地方参政権法案がある。落胆するのは長年権利を求めてきた在日コリアンら外国人だけではない。法案の反対運動を続けてきた日本人たちの心もまた、晴れない。「きちんとした議論がないまま、うやむやなままでいいのだろうか」

16日、国会前。行き交う議員にビラを手渡す数人の姿があった。汗をぬぐう男性(41)=東京都狛江市=の表情は真剣だ。「こうして意思表示することで、多少は法案提出をためらわせることができた。でもこの政権が続く限り、危険性も続くから」。ビラには「売国首相 菅直人!」の文字が躍っていた。

国会前で座り込みが始まったのは2月から。保守系の論客、政治家が登場、横浜をはじめ各地で反対集会を開いてきたインターネット放送局が中心になり「日本解体法案阻止の国民運動を」と呼び掛けた。

「標的」は小沢一郎前幹事長だった。法案の推進役だったからだ。「民団(在日本大韓民国民団)や中国のいいなり。それが我慢ならない」。選挙至上主義の政治手法、政治とカネの問題といった小沢前幹事長への嫌悪が「参政権反対」の思いに拍車をかけたと男性は振り返る。

そもそもの反対理由は「中国に国が乗っ取られるから」。ネットに流布する言説に乗り、自身もブログやツイッターでその危険性を語る。「これまでは左に偏ったマスコミや学者が情報を流してきた。いまネットで起きているのは、それに対する反動的な動き。隠されてきた事実を広めていく運動だ」。舞台俳優で、特攻隊員を演じたこともあるという男性は使命感さえ漂わせ、「外国人に参政権を認めた国は犯罪率が上がる」といったネットで得た情報を繰り返した。

小沢前幹事長は表舞台から去り、やはり法案成立に意欲的だった鳩山由紀夫前首相も交代した。だが男性は「もともと総選挙のマニフェスト(政権公約)から外されていた。いつ法案が具体化するか分からない」。疑念が招く反発。4月には日本武道館で1万人規模の反対集会も開かれた。

ただ一方で男性は運動の広がりに頭打ち感も覚える。「国民全体で議論し、信を問うべき問題。その結果が賛成なら受け入れなければいけないとも思う」と話した。

「地方議会を含め、法案が反小沢、反民主のための政治の道具にされてしまった。地域住民の一員として外国人の権利をどう考えるのかという人権の問題であるはずなのに」。民団神奈川県地方本部の在日コリアンの職員は、そう声を落とした。

17日、菅首相が発表した民主党の参院選マニフェストに「外国人参政権」の文字はなかった。

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