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過剰な「部活動」改善へ議論 海老名市教委の検討委が初会合

社会 | 神奈川新聞 | 2017年5月27日(土) 15:17

改善に向けた議論が始まった海老名市教育委員会の部活動検討委員会
改善に向けた議論が始まった海老名市教育委員会の部活動検討委員会

 海老名市教育委員会は25日、新設した「部活動検討委員会」の初会合を市役所で開いた。近年、過剰・肥大化する中学校の部活動の弊害が指摘される中、休養日の設定や外部指導者の活用などを議論して年内に報告書をまとめ、市教委が改善方針を来年1月に決定する。

 冒頭、伊藤文康教育長は「部活動の教育的意義は高いが、体罰や教員の負担増など、さまざま問題を抱えている。休養日の多寡について保護者の間に賛否両論がある。海老名らしいより良い部活動にしていくため、多角的な議論をしてほしい」とあいさつした。

 14人の委員は市内の学校関係者や保護者、体育協会代表、外部指導者、整形外科医らで構成。1997年以降、文部科学省から通知された「運動部の休養日は週2日以上」などが明記された調査研究報告やガイドライン、市教委が昨年度に初めて行った実態調査の結果が紹介された。

 委員の教員からは「他に業務を抱える中、文科省のガイドラインを読んでいる顧問はほとんどいないだろう」「平日は忙しく、土日しか指導ができない」「競技経験のない部活の顧問を引き受けるのは負担が大きい」「特に若い教員は苦しい」と訴えた。

 教員の負担軽減策として学校教育法施行規則の改正で4月から導入された、外部指導者が生徒の引率もできる「部活動指導員」制度について、校長は「信頼でき、任せられる人材育成が課題になる」と指摘。けがや事故予防など、最新の科学的根拠に基づいた指導を求める意見も出された。

 保護者の一人は「自分の経験から部活は楽しいから参加し、将来のことを考えてはいなかった。意義や良さはその後の人生の中で次第に分かっていくものと思う」などと、実態調査を見た感想を述べた。

 委員会は今後、月1回のペースで11月下旬までに計5回開催、部活動の在り方に関する報告書案を作成する予定だ。

 ◆海老名市教育委員会の部活動実態調査 海老名市教委が昨年9~10月、六つの全市立中学校の教員と生徒(各学年1クラス抽出)を対象に実施。教員のうち顧問を務めているのは全体の82%。教員の負担感は平日(朝、放課後練習)が59%、土日(試合など)は66%。運動部の62%が1週間、休養日がない。参加する生徒は楽しいと思う80%、少し思う17%、あまり思わない3%だった。

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