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横浜事件で「無罪」認定、元被告遺族ら感無量

社会 | 神奈川新聞 | 2010年2月5日(金) 00:38

「有罪判決から65年。やっと勝ち取った」-。「事実上の無罪」に言及した横浜事件の刑事補償決定を受け、司法の厚い壁に阻まれ続けた遺族らは、過去の国の責任を認めた内容に感無量の表情を浮かべた。元被告とされ、今回の決定を聞くはずだった被害者は、この世にない。四半世紀、親子二代にわたる切実な訴えを長らく冷たくあしらい続けた司法への怒りを抱えつつ、遺族らは、刑事司法が二度と同じ過ちを繰り返さないよう、次世代に継承する決意を新たにした。

補償決定が決まると、第4次請求者の元被告の小野康人さんの次男・新一さん(63)は神妙な面持ちで旗を掲げた。「無罪を認定」「雪冤(せつえん)成る」。冤(無実の罪)をすすぐ、という意味だ。その後、詳しく決定内容を聞いた新一さんは「画期的だ」と相好を崩し、弁護士と固く握手した。

記者会見で小野さんの長女・斎藤信子さん(60)は「最初に再審を申し立てた24年前の原告たちが求めていた答えがやっと手に届いた。責任を果たせた」とほおを上気させた。

斎藤さんが事件を知ったのは父が他界した後の中学生のころ。母・貞さんから父が特高警察に竹刀で激しくたたかれ、逆さにつるされるなどした拷問を受けたことを聞かされた。夫の無念を晴らそうと、貞さんが法廷に立った。再審が棄却されると手を震わせて怒り、図書館で事件の関連書を読みふける姿が脳裏に焼き付いている。

貞さんの死後「もしもの時があれば継いでほしい」との遺言から斎藤さんも新一さんと一緒に戦い続けた。「今日は両親が不思議とそばにいる感じがした。だから結果はもう伝わっていると思う」

道のりは長く、司法は冷徹だった。補償決定を待ちわびた再審の元被告らは全員他界し、事件に最初から携わった弁護士も亡くなった。元被告の木村亨さんの妻・まきさん(60)は会見で「失ったものがあまりに大きい。免訴でしか判決を下せなかったのは納得できない」と悔しさをあらわにした。

故・森川金寿弁護士から弁護団入りを誘われた大川隆司弁護士は「先輩からたすきを受け継いで戦って本当に良かった」と述べ、言葉を継いだ。「この決定を受けて、10万人に及ぶ治安維持法の犠牲者の真相究明につなげるべきだ」

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