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「横浜事件」で元被告5人に刑事補償決定、無罪との判断を示す/横浜地裁

社会 | 神奈川新聞 | 2010年2月4日(木) 23:15

刑事補償決定を受け、無罪認定の一報を知らせる小野新一さん(中央)ら=横浜地裁前
刑事補償決定を受け、無罪認定の一報を知らせる小野新一さん(中央)ら=横浜地裁前

戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」で、再審で免訴判決が確定した計5人の遺族が求めた刑事補償について、横浜地裁(大島隆明裁判長)は4日、請求の満額に当たる1人当たり約723万~1057万円の支払いを決めた。決定理由は「実体判断が可能ならば被告は無罪だった」と明確に認定。四半世紀に及んだ司法手続きの中で初めて、冤罪(えんざい)との判断を示した。

再審公判を含めた司法手続きで地裁などは、治安維持法の失効などを理由に判決では有罪、無罪の判断を先送りした経緯がある。刑事補償決定では「(当時非合法だった)共産党再建などの結社活動をした」という当時の罪状を立証する証拠を再検証し、「被告の供述は拷問の影響による虚偽の疑いがあり、信用できない」といずれも証拠不十分と指摘した。

一方、請求者の遺族が求めていた司法の責任明示については、「脆弱(ぜいじゃく)な証拠に基づいて検挙し、拷問などの違法手法で捜査を進め、故意に匹敵する重大な過失がある」(警察)、「拷問の事実を見過ごして起訴した点で少なくとも過失がある」(検察官)、裁判所自らも「拙速、粗雑な事件処理がされ、慎重な審理をしなかった裁判官にも過失があった」と言及。「特高警察の思い込み捜査から始まり、司法関係者による事件の追認によって完結した」と、当時の刑事司法に誤りがあったことを明確に認めた。

刑事補償請求をしたのは、小野康人さん、木村亨さん、小林英三郎さん、由田浩さん、平舘利雄さん-の計5人の遺族。第4次再審請求の小野さんの遺族は昨年4月、第3次再審請求の木村さんら4人の遺族は昨年5月、逮捕から釈放までの579~846日間についての補償を横浜地裁に申し立て、今回認められた。

第3次再審請求弁護団の事務局長・森川文人弁護士は「無罪を明らかにした裁判官に敬意を表する」。第4次再審請求弁護団の団長・大川隆司弁護士は「司法関係者が冤罪の責任を負うべきだと指摘した画期的決定」と評価。遺族側は即時抗告しない方針で、早ければ9日に確定する。最高裁は「把握する限りでは、免訴判決に基づく刑事補償決定はいままでにない」としている。

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