
ミツバチの力で商店街を活性化―。横浜市内の中小建設業者でつくる横浜建設業協会と、同市港北区の大倉山商店街が今春から、養蜂(ようほう)に乗り出す。店舗の屋上を利用してハチを育て、採取したハチミツは洋菓子店などでスイーツの製造に役立てる。
横浜建設業協会が昨年6月、国土交通省から最大2500万円の交付金が出る「建設業と地域の元気回復事業」の実施主体の一つに採択されたのが、養蜂を発案したきっかけ。協会が共に事業を進める商店街を公募し、大倉山をパートナーに選んだ。
2、3階建てのビルを中心に約150店が軒を連ねる同商店街。計画では、協力してくれるビルの屋上空間にミツバチの巣箱を設置し、ハチミツを採取、活用する。東京・銀座で行われている養蜂を見学するなどした上で、3月下旬にも設置を始める方向で準備を進めている。
同商店街の山田浩之事業部長(49)は「大倉山には、有名な洋菓子店、和菓子店が多く、そうした店による『スイーツの会』もつくられている。この商店街で採れたハチミツでおいしいお菓子を作ってもらえたら」と、新名産の誕生に期待を寄せる。
加えて「大倉山周辺はマンション開発が相次ぎ、人口は右肩上がり。新たに移り住んだ人に、商店街に興味を持ってもらえたら」との展望も描く。
建築業協会の佐藤明事務局長(68)は、「中小の建設業者は最近、廃業や倒産が多く、公共事業に頼ってばかりいられない。まちづくりに積極的に関与する取り組みを通じて新たな在り方を見いだしたい」と意欲をのぞかせている。
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