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ペットを里親へ 多摩川の生態系守る「おさかなポスト」、利用好調/川崎

社会 | 神奈川新聞 | 2009年12月30日(水) 10:12

川の生態系を守るため、稲田公園内に設けられたおさかなポスト=川崎市多摩区
川の生態系を守るため、稲田公園内に設けられたおさかなポスト=川崎市多摩区

飼い続けることができなくなった魚などを一時保護し、小中学校などの“里親”に引き渡す「おさかなポスト」が、多摩川沿いの稲田公園(川崎市多摩区)に設置されている。在来種以外の生物を川に放すことで川などの生態系が乱れるのを防ぎながら、魚などとの触れ合いで子どもたちに命の尊さを学んでもらうのが狙い。同ポストを管理する川崎河川漁協総代の山崎充哲さん(50)は、「各区役所にポストを設置するなど、この試みを広げていきたい」と意気込んでいる。

きっかけは2004年の夏。多摩川の近くで、男の子が泣きながら歩いていた。手には金魚の入った袋。不審に思った山崎さんが事情を聴くと、男の子は「面倒を見ないとお母さんに怒られ、金魚を捨てに来たの」。そう答えた男の子に、山崎さんは「川に捨てないで。おじさんがいけすで預かってあげる。そうすれば君も、金魚に会いに来られるだろ?」と慰めた。

おさかなポストは、同公園内にある同漁協のいけすの一部を利用して設置。入れられた魚は山崎さんが回収し、必要な場合は治療などを施した後、市内の幼稚園や小中学校、高齢者施設などの里親に引き渡される仕組みだ。最初は年間数百匹が入れられたが、増加傾向が続き、09年には約8千匹に。里親の数も徐々に増え、ある小学校では、不登校だった児童が、水槽を見るために登校するようになるなど「子どもたちのコミュニケーションのきっかけとなっている」(山崎さん)という。

しかし、ポスト設置の背景はそれだけではない。山崎さんによると、現在多摩川にいる水生動物約200種のうち、もともと多摩川にいた在来種は約40種。残りの外来種などが多摩川で繁殖することで、「川や周辺の生態系に連鎖的に影響している」(山崎さん)。

現実に、多摩川で捕獲されたブラックバスの体内から、しばしばアユの死骸(しがい)が見つかっているほか、観賞用などとして飼育されるグッピーが多摩川で繁殖し、メダカの生息域を狭めているという。「川に捨てた一匹が生態系の乱れを招き、何千匹の在来種を殺しかねない」と危機感を募らせる。

「一度飼育した生き物は、自然に返さないのがモラル。飼い始めた時の気持ちで最後まで育ててほしい」と山崎さん。一方で、「愛着ある生き物を手放すのは、切羽詰まった状況だから。どうしても飼えなくなったときの最後の手段に、ポストを活用してほしい」と、生き物の命と多摩川の生態系を守るポストの活用を呼び掛けている。

ポストの利用時間は午前10時~午後4時ごろ。毎週月曜は休み(月曜が休日の場合火曜)。

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