母の日(14日)を前に振り込め詐欺の被害防止を世代を超えて呼び掛ける街頭キャンペーンが12日夜、相模原市南区の小田急線相模大野駅前で行われた。県警生活安全総務課と相模原南署、地元の相模女子大学が連携し、大学生が帰宅途中の会社員らに花の種を配布。息子をかたる詐欺被害を防ぐため、息子から母へ注意喚起のメッセージを添えて母の日に渡してもらう試み。
県内の振り込め詐欺被害はことし1月から4月末までに約600件発生し、被害総額は13億円超。昨年に比べて200件、1億8千万円増えたという。
被害が特に多い高齢者に子や孫の世代から家族ぐるみで注意を呼び掛けてもらおうと企画。種の袋にはメッセージを書き込めるよう工夫した。
参加した女子学生40人を前に、県警生活安全部犯罪抑止対策室の臼井謙副室長は「ことしは金融機関だけではなく、コンビニの店員さん、タクシー運転手さんらが、約500件の詐欺被害を防いでくれた。明るい兆し。社会全体で阻止する機運を高めていきたい」と呼び掛けた。
学生の中から一日女性警察官に任命された岩渕咲良さん(20)=3年=と高橋美空さん(20)=同=の2人は「この花を一緒に育て、親子がコミュニケーションを深めるきっかけになれば」と期待。花の種を受け取った同区内の会社員小林宗太郎さん(31)は「オレオレ詐欺に気をつけて。お金のことは心配しないで」とメッセージをその場で記入し、「都内に住む母親に渡そうと思います」と話していた。