沖縄県東村高江にある米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、地元住民らの反対を押し切り、工事を強行するのは国家の不法な強権発動だとして、憲法学者らが9日、参院議員会館で記者会見を開き、工事の中止を求めた。
会見では、学者や作家らでつくる「普天間・辺野古問題を考える会」などが、ヘリパッド建設への反対声明を発表。「東村議会、沖縄県議会の反対決議にもかかわらず(工事が)強行されたことは、『地方創生』といいながら地方自治を無視する安倍政権の尊大な態度を鮮明に表しており、辺野古工事強行への布石ともいえる」と非難した。
基本的人権の蹂躙(じゅうりん)を続けさせてはならない、沖縄の自治と自立の侵害は許されないといった理由から、直ちに工事を中止すべきだとしている。
政府は参院選翌日の7月11日、ヘリパッド建設の工事を約2年ぶりに再開。「反対声明」に賛同する東京大学の小森陽一教授は「選挙で(高江のヘリパッド建設などに反対する)伊波洋一さんが当選した。着工は沖縄県民の意思を蹂躙する。主権者への攻撃であり、一緒に声を上げたい」と話した。
声明には、作家の大江健三郎さんや全国の憲法学者、行政学者ら182人が賛同。同会は今後も賛同人を広く募集するとしている。