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白秋記念館の”縁起猫”姿消す/三浦

社会 | 神奈川新聞 | 2009年9月25日(金) 21:01

「チロ」の写真を懐かしそうに見る山口さん=三浦市・城ケ島の白秋記念館
「チロ」の写真を懐かしそうに見る山口さん=三浦市・城ケ島の白秋記念館

三浦市三崎町城ケ島の白秋記念館に10年以上すみ着いていた白猫が5月、突然、姿を消した。右目の周囲が金色、左目の周囲が銀色で、その昔、マグロ漁師たちが「縁起が良い」と珍重したネコという。「チロ」の愛称で、記念館の関係者のみならず観光客からも親しまれていた。「死を直感し、自ら身を引いたのでは」と推測する関係者。「たくさんの楽しい思い出をありがとう」と話している。

記念館に勤める木下桂子さんによると、チロが“居候”を始めたのは1997年ごろ。「当時はきれいなお嬢さんネコ。ご飯を欲しがる姿に負けて、あげているうちに居ついた」

人懐っこくて、人間に抱かれるのが大好き。人の首に両手を回し、自分から抱きしめることもあった。暑いときは外へ。寒い日は記念館の中のストーブで温まる「勝手者」(木下さん)はいつしか、記念館のアイドルとして定着。雑誌で紹介されたり、「みさき白秋まつり」の一環として一般客から募った短歌の優秀作品に登場したこともあった。「縁起の良いネコ」と新聞で報じられ、合格祈願のために会いに訪れる受験生もいたという。

「野上義一先生は、実はネコ嫌い。だけどチロにはだんだん情が移っていったようでしたね」と振り返るのは、みうら観光ボランティアガイド協会顧問の山口勝さん。詩人北原白秋の研究に尽力した元市長の故・野上さん。「動物はみな飼ひ主に似るといふ 白秋会館の猫はちょっと生意気」。生前、そんな作品を残している。

チロが姿を消したのは5月下旬。木下さんが記念館を出る際、2階のテラスで寝ているチロを確認したのを最後に、誰も見掛けていない。

「おそらく最期は迷惑を掛けてはいけないと思って身を隠したのでしょう。そうだとしたら褒めてあげたい」と木下さん。今まで心の支えだったチロに感謝の気持ちを示す一方、「ことしの冬は寂しくなりそう」とつぶやいた。

【神奈川新聞】

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