病気や災害などで親を亡くした子どもたちの進学を支援する「あしなが学生募金」が苦境に立たされている。募金の窓口役を担うボランティアの減少や寄付形態の多様化などで募金額が低迷、昨秋に行われた県内の募金額は前年の4割まで落ち込んだ。活動に携わる当事者の学生らは「親を失っても、子どもが夢をかなえられるように支援をしてほしい」と呼び掛ける。
「僕はこの奨学金のおかげで、大学に進学することができました」。学生募金が全国一斉に始まった4月22日。横浜駅相鉄口で小箱を抱えた学生スタッフの男性は声を張り上げ、行き交う人々に深々と頭を下げた。
学生募金は毎年春と秋に行われ、集められた浄財は「あしなが育英会」(東京都)が運営する奨学金制度に全額寄付される。同会によると、2016年3月末現在、県内で奨学金を受けているのは高校105人、専修・各種学校15人、大学66人の計186人。