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〈時代の正体〉ヘイト事前規制の指針案報告 全国初今秋策定へ

社会 | 神奈川新聞 | 2017年4月29日(土) 02:00

【時代の正体取材班=石橋 学】川崎市は28日、公的施設におけるヘイトスピーチ(差別扇動表現)を事前に規制するガイドライン案の骨子を市議会文教委員会で報告した。人権侵害を未然に防ぐため、ヘイトスピーチが行われる恐れがある場合、利用申請を不許可にするなどの制限を設けるのが特徴で、全国初の施策。

 ガイドラインは、公園や市民館の設置条例が定める許可条件の解釈を明確にするもの。

 骨子では、ヘイトスピーチが行われる恐れが客観的な事実に照らして具体的に認められると判断される場合、例外として利用を制限することを基本指針として示した。恣意(しい)的な判断を避けるため、学識者でつくる第三者機関の設置も盛り込まれた。

 規制対象はヘイトスピーチ解消法が定義する「不当な差別的言動」とし、制限は「警告」「条件付き許可」「不許可・許可の取り消し」の3種類。「不許可・許可取り消し」の場合、市人権施策推進協議会の部会として新設する第三者機関に意見を聴取し、公平性を担保する仕組みになっている。

 ガイドラインに関する「考え方」では、▽安易な規制は避けなければならない▽市人権施策推進基本計画の基本理念では「あらゆる差別の撤廃と人権侵害の防止」が掲げられている▽ヘイト対策の審議を諮問した市人権施策推進協議会の提言を踏まえた-ことなどを示した。

 市は6月中に成案化し、パブリックコメントの募集を経て今秋をめどに策定、実施するとしている。

 市内では在日コリアンを標的にしたヘイトデモが2013年5月から繰り返され、福田紀彦市長は昨年5月、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ、デモ主催者の公園使用を認めない判断を全国で初めて下していた。

解説 第三者機関の構成が鍵


 川崎市が示したガイドライン案の「考え方」で最も重要なものは「あらゆる差別の撤廃と人権侵害の防止」であろう。事前規制の措置は市内で繰り返されたヘイトデモがもたらした回復困難な人権侵害の被害を踏まえたものだからだ。

 憲法で保障された表現の自由を侵すことなく、保障の範囲外にあるヘイトスピーチを規制する。両者のバランスを見極め、権力の乱用を防ぎ、実効性を担保するには第三者機関のメンバー構成がポイントとなる。人数も確定していない段階だが、市は文教委員会の報告で憲法学者、行政法学者、インターネット規制に詳しい弁護士を例に挙げた。

 だが、人権侵害の未然防止の観点からは人権問題を専門とする学識者・弁護士は欠かせまい。共産・片柳進氏からは「当事者の話を聞く機会を設けることも大事」との注文もついた。

 ガイドラインの法的根拠となる市条例の早期制定を求める声も上がった。公明・岩崎善幸氏は

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