横浜市は22日、NPO法人「PWL」(箕輪一美理事長)に対し、運営する小規模多機能型居宅介護事業所「PWLピアサポートタウンおきな町」(横浜市中区)など2事業所の介護保険事業者の指定を取り消すことを通知した。正式な手続きを経ない無効な定款を提出するなど「虚偽の申請」で指定を受けたことなどが理由で、取り消しは12月1日付。指定時からの不正請求額は計約970万円で、市は今後、施設整備費など計約3566万円の補助金とともに返還を求める。
横浜市の介護保険事業者の指定取り消しは2例目。
市介護事業指導課によると、同法人は昨年10月の事業所の指定申請時、総会を開かずに変更した定款とともに、管理者が要件の「常勤専従」を満たしていると偽って書類を提出、不正に小規模多機能型事業所の指定を受けた。また昨年12月の開設時から今年8月まで、常勤専従の管理者を確保しなかった。こうした虚偽申請と人員基準違反があるにもかかわらず、不正に介護報酬を請求した。
福祉用具貸与事業所「ヘルパーステーションララ」(横浜市中区)でも同様に虚偽申請した上、今年6月から10月まで、専門相談員を1人しか置かず、人員基準を満たしていなかった。
市は今後、不正に受給した介護報酬とともに、整備費補助金などの返還を求める。利用者から徴収した自己負担分約77万円も返還するよう指導した。計7人の利用者のうち、3人は事業所を移り、4人は12月中に別の事業所を利用する見込み。同課は「利用者へのサービスに支障がないよう指導する」としている。
法人側は「重く受け止めており、利用者や関係者に謝罪したい。今後は市と密接に協議し、介護報酬などの返還とともに、改善に努力する」としている。
同法人は、運営する障害者グループホームなどで不適切な対応があったとして、市から繰り返し指導を受けている。
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