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【連載】湘南密着24時(下)~西浜 一転、静かなビーチに

社会 | 神奈川新聞 | 2013年7月25日(木) 22:50

こうも変わるものか。

多くの小中高生が夏休みに入った20日、例年なら一気に盛り上がるはずの片瀬海岸西浜海水浴場(藤沢市)には、静かな潮騒が響いていた。

週末の夕暮れ時ともなれば、一部の海の家では、最高潮を迎えようと、大音量のダンスミュージックで踊る若者たちが体を揺らし、重低音は江の島や住宅街にまで届いた。「若い女の子が、小さな水着を身に着け、酒に酔い、よたよたビーチを歩いていた。そこに上半身裸の屈強な男たちが群がる。もう本当に心配で」。長年、西浜を見てきた海の家の女性経営者(72)は、いつか大変な事件が起きるのではないか、と気が気ではなかった。こうした状況は5~6年前から始まり、ここ1、2年で一気にエスカレートしたという。

◇ ◇ ◇

昨年、クラブイベントの主催者へ海の家を貸していた男性経営者(30)は明かす。

「うちは主催者に場所を貸すだけ。『ハコ貸し』というやつです」。主催者はさまざまで、事前にチケットを売るケースもある。1人当たり2千~3千円程度が相場で、男女で料金を変えるイベントもある。

酒などの飲み物は海の家側が提供し、別料金だ。「ハコ代と酒代がうち(海の家)の収入になる」。場所代と集客が確実に見込めるこうした仕組みから、海の家経営者がイベントの内容や音量、音楽ジャンルなどについて口出ししにくくなる構図が浮かぶ。

この海の家では、昨夏の2カ月間で30回ほどクラブイベントを開催。今夏は「音楽禁止」の自主規制を受け、クラブイベントは予定していない。売り上げや客数は半減しているという。

◇ ◇ ◇

海の家経営者は、うまみの大きいクラブイベントを再開したいのではないか。

すると、意外な答えが返ってきた。「もう、たくさんです。もめ事が多すぎ。手に負えないくらい。『やめろ、やめろ』と押さえるのが大変。何か起きちゃ取り返しがつかない」

藤沢署によると、昨年は騒音やけんか騒ぎなど海水浴場関連だけで500件近い通報があった。それが今年は7月1~15日の集計で、2割以上減少しているという。「因果関係は定かではないが確実に減っている」(署員)

日が暮れ、海水浴客が続々と引き揚げる。酔いの回った若い女性2人連れに今夏の西浜の印象を聞いた。

「超つまんないよね。ギャルは減ったし。去年も一昨年も最高に盛り上がったのに」とこぼした。

男性経営者は、閑散とした静かなビーチを見渡し、さみしさをにじませた。「でも、やっぱり海の家で流行の曲を軽い感じで流せるようにはしたいな」

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