
「世界文化遺産、本当におめでとう」。半世紀余にわたり富士山の清掃登山を続けている相洋高校(小田原市城山)山岳部は登録決定の22日に入山、その感動を現地で味わった。55回目となる清掃登山で、登録への課題の一つとされた環境美化に貢献してきた。
今回は部員15人、OBら18人が参加。ルートは須走口で5合目から7合目までの間で実施した。部員らは回収袋を手に登山道周辺で見つけた古い空き缶やガラス片などを拾いながら山頂を目指した。今年は残雪が少なく、回収量は前回よりやや多い約57キロになった。
創部66年になる山岳部は「美しい富士山を守ろう」をスローガンにごみ箱の設置や回収活動に力を入れてきた。清掃登山は7月1日の山開きを前にした伝統行事で、OBらも例年参加している。
35年間、清掃登山を引率する顧問の勝見公明さんは「200キロを担いで降ろした時期もあったが、ここ10年はごみは減った。ただ一方で外国語が記載されたポリ類が目立つようになった。世界遺産の登録はよかったと思うが、マナーの徹底など、入山者が増えても環境が悪化しない対策が必要だ」と話している。
【】