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患者受け入れで偏り、県内17エイズ治療拠点病院/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2013年6月1日(土) 13:42

「エイズ治療拠点病院」に指定されている県内17病院のうち、患者の受け入れが一部の病院に偏重している。現在、50人以上の通院・入院患者がいるのは5病院のみで、中には患者数が0人の病院もあった。一方、指定を受けていないものの診療に対応している病院もある。現場で治療に当たる感染症の専門医は、“看板”と実態の不一致を問題視し、現行の拠点病院制度に疑問を投げ掛ける。

川崎市中原区の関東労災病院にことし、50代の男性エイズ患者が紹介状を携え訪れた。男性が当初エイズと診断された病院は、県内のある拠点病院の系列病院。関東労災病院で男性の診療に当たった岡秀昭医師は語る。

「専門医が不在との理由で拠点病院では診られないという判断になった。それで、うちで受け入れることになったのです」

関東労災病院は同拠点病院の指定を受けていない。それでも、感染症専門医の岡医師が赴任して以降のこの2年半で計9人のエイズ患者を診療してきた。

“看板”と受け入れ実態が乖離(かいり)する現状に、岡医師は疑問を投げ掛ける。「患者にとって大きな不利益。たらい回しの恐れすらある」。ましてエイズ患者は根強い偏見から他人に罹患(りかん)を相談しにくいのが実情だ。掲げる“看板”への信頼が揺らげば、「どこを受診すればいいのか分からなくなり、患者が途方に暮れることになる」とも危惧する。

県の調査によると、県内の17拠点病院の患者数は、4月半ば時点で計約千人(「回答なし」の2病院除く)。横浜市立市民病院を筆頭に横浜市立大学付属病院、北里大学病院、川崎市立川崎病院、東海大学医学部付属病院が50人以上だった。

一方で、0人だった病院が三つあった。6病院は患者数を非公開とし、2病院は期限までに回答がなかった。非公開とした病院の患者数は0人の所もあれば30人超の所もあるという。

県によると、0人だった病院は理由を、「たまたま患者が来なかった。診療態勢は万全」「同じ系列の拠点病院に案内しているため」などと説明している。

感染症が専門の岩田健太郎神戸大教授は「受け入れに積極的な病院は少数で、兵庫県内も状況は同じ」と指摘。及び腰になる理由について、「エイズは診療ガイドラインが半年ぐらいでころころ変わるため、ものすごく勉強が必要。相当入れ込んでやるのは大変で、それが全拠点病院で徹底されているのかどうかは懐疑的」と述べる。

拠点病院制度の今後については、「廃止が理想」と岩田教授。「ひとたび拠点病院に指定されると、例えば医者が異動した後も指定だけが残り続ける。箱(病院)で評価(指定)するのではなく、人(医師)で評価する発想へ変えるべき」と提起する。

【県内エイズ治療拠点病院の受け入れ状況】(県調査)

◆拠点病院通院・入院患者数

川崎市立井田病院 9

川崎市立川崎病院 約80

聖マリアンナ医科大学病院 非公開

横浜市立市民病院 約400

横浜市立みなと赤十字病院 0

県立汐見台病院 回答なし

県立こども医療センター 非公開

国立病院機構横浜医療センター 非公開

横浜市立大学付属病院 260

横浜市立大学付属市民総合医療センター 0

国立病院機構相模原病院 回答なし

北里大学病院 97

東海大学医学部付属病院 58

県立足柄上病院 非公開

秦野赤十字病院 0

厚木市立病院 非公開

津久井赤十字病院 非公開

※「非公開」は、県に対し実数を回答したが公開を控えるよう要望した病院

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