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石綿被害でIHIへ賠償命令/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2013年5月30日(木) 23:30

IHI(旧石川島播磨重工業)がアスベスト(石綿)の危険性を認識しながら安全配慮義務を怠ったため、肺がんにかかり死亡したとして、元従業員=当時(65)=の遺族が同社に約8520万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁(阿部正幸裁判長)は30日、原告の主張をほぼ全面的に認め、同社に約370万円の支払いを命じた。

判決などによると、元従業員は1962年に入社。2002年に退職するまでの約40年間、全国の工場で電気炉の新設工事などに従事した。06年に肺がんになり、労災認定を受けた後、07年10月に亡くなった。

阿部裁判長は判決で「元従業員は、少なくとも17年間、相当多量の石綿粉じんが発生する工事現場に頻繁に行き来し、粉じんを吸引したことより肺がんを発症した」と、業務と死亡との因果関係を認定。

その上で「IHIは石綿の危険性を認識しながら、従業員に対して、石綿が健康や生命に被害を及ぼすといった教育を行わず、防じんマスク着用も徹底しなかった」と、安全配慮義務を怠ったと結論付けた。

慰謝料や逸失利益が認められたが、元従業員が喫煙者だったことから2割を過失相殺。また既にIHIから補償を受けているため、支払額を約370万円と算定した。

判決を受け、IHIは「判決内容を精査した上で、今後の対応を検討したい」とコメントした。

◆「社員守る責任 明確に」遺族

「裁判所は『会社は、社員の健康と命を守る責任がある』ということを明確にしてくれた」。夫の死から5年7カ月。企業の法的責任を訴え続けてきた妻(66)は、判決後、はっきりとした口調で述べた。

「静かな時限爆弾」。石綿は吸い込むと繊維が肺などに刺さり、治療法がないことなどから、そう呼ばれている。1960年制定のじん肺法は、企業に対して、労働者の健康管理のための教育を義務付けている。

今回の判決は、IHIが石綿による健康被害の危険性を認識していたにもかかわらず、マスク着用の必要性について教育・指導などが不十分だったと判断。IHIに安全配慮義務違反があったと認定した。

原告代理人の田渕大輔弁護士は「IHIは元従業員だけでなく、すべての労働者に対して安全配慮義務を負っている。企業側の法的責任を明確にした判決が持つ意味は、非常に大きい」と強調した。

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