小田原市は、戦争にまつわる跡地や慰霊碑などを紹介するリーフレットを初めて作製した。小田原を中心に戦争体験を記録する市民団体が協力。市は「身近に残る場所を通し、平和の尊さを見つめ直す、きっかけになれば」と話している。
米軍小型機による機銃掃射の弾痕が残る橋桁の一部、終戦2日前の空襲時に落とされた爆弾の投下跡、12人が犠牲になったとされる空襲を今に伝える説明板…。リーフレットには、太平洋戦争などに関連した市内19カ所を文章や写真、地図で紹介。説明文は、市民団体「戦時下の小田原地方を記録する会」が担当した。
市は戦後70年に当たる2015年に、被爆地・ヒロシマに中学生を派遣。「戦争体験者の高齢化が一層進む中、次世代を担う子どもたちに、今後も戦争や平和と向き合ってほしい」とリーフレット作製を決めた。今後、市内36の小中学校に配布し、授業で活用してもらいたい考えだ。
リーフレットはA4判で、5千部を発行。市役所4階の総務課窓口でも入手できる。