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鎌倉の震災リスクにも言及、世界遺産「不登録」勧告でイコモス、津波被害の可能性「極めて深刻」と危惧視/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2013年5月6日(月) 10:52

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産をめぐり、「武家の古都・鎌倉」(鎌倉、横浜、逗子市)を「不登録」と勧告した国際記念物遺跡会議(イコモス)が、地震や津波といった自然災害を「資産保全の脅威」として勧告書に言及していたことが5日、分かった。文化庁は武家文化の物証の乏しさが「不登録」の主因と説明していた。勧告書はさらに、鎌倉が抱える地形的な脆弱(ぜいじゃく)性にも踏み込んでいた。

勧告書は、脅威となる自然災害として、地震、津波、暴風、火災を明記。とりわけ、地震と津波は「過去も資産に著しい影響を及ぼした」「重大なリスク」と指摘した。21の社寺・史跡による構成資産の大半は「沿岸部から比較的離れ、高台にある」とする一方、低地部の津波被害の可能性を「極めて深刻」と危険視した。

東日本大震災を受けて改定された県の浸水想定は、鎌倉市域への津波の最大波高を14メートル超と試算。構成資産の湾跡や一部の社寺も浸水域に含まれている。

室町時代後期に発生した巨大地震による津波で、鎌倉大仏の大仏殿が流出したとする古文書も残り、これらの震災リスクも勧告に影響したとみられる。

暴風と火災についてはそれぞれ、「気候変動は台風の猛威を増大しかねない」「社寺の木造建造物は極めてもろい」と言及した。2012年4月の暴風では、県内唯一の国宝建造物である円覚寺(同市山ノ内)の舎利殿が破損している。

勧告書から、日本政府がことし1月11日、イコモスの要請を受け、資産の防火体制に関わる詳細な資料を提出していたことも判明した。

勧告書はさらに、宗教行事や海水浴を例示し、年間2千万人近い観光客が「資産に損害を与える恐れがある」と指摘。交通渋滞についても「観光客の存在により、ますます深刻化している」と付言した。

フランス・パリのユネスコ世界遺産センターは4月30日、勧告内容を日本政府に通知。イコモスは「武家の古都・鎌倉」について、武家文化の物証不足を主因に「不登録が妥当」と評価したが、文化庁が5月1日に公表した勧告概要は、こうした震災のリスクや観光客の影響に触れていなかった。

6月16~27日にカンボジア・プノンペンで開かれる第37回世界遺産委員会で正式に当落が決まる。政府は、この本審議で評価の格上げを目指すか、推薦を取り下げて再推薦するかを県や市と協議している。

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